俺様社長にハートを撃ち抜かれました
そして、その静寂を破ったのは、その時間を作った原因の張本人だった。
「っ…!もういいわよ!勝手にしなさいよ!」
そう言って、怒りながら出ていった。
「お前、よく言った!」
禅の友達の1人がそう言うと、周りのみんなもそれに乗っかっていた。
どうやら、さっきの女の人はずっと禅の彼女気取りをしていたらしい。
禅は彼女にした覚えはないんだって。
だけど、付きまとわれて面倒くさいから放置していたらしい。
そのうち、話はヒートアップして、悪口に変わっていった。
さっきの女の人には、私もムカついたけど、ちょっと言い過ぎな気もする。
「あ、あの…」
「あ?なんだ?」
さっきよりも、怒りは収まってるけど、まだイライラするらしい。
「そこまで言わなくてもいいんじゃない…ですか?
たしかに、ムカついたけど、彼女は禅が…その、好きだから、そういう言葉が出ちゃっただけだと思うんです…
だから、そんなに否定しないであげてください。」
少し上から目線になっちゃったけど、流石に言い過ぎだと思って、そう言った。
禅も、友達もまさか、私に言われるとは思ってなかったみたいで、ポカーンとしたあと禅の友達が
「そうだよな…悪かった」
そう言って、静かになった。