俺様社長にハートを撃ち抜かれました
〜5年前〜
「あい、あのさ…」
「なーに?」
まだ高校1年生の頃、バレンタインの日に千里に呼び出された。
教室で待ってろだって…
いつも一緒に帰ってるから、その時じゃダメなのかな…
それに、チョコなら家に帰ってからあげるのに。
「お、お、お、お、お…」
「おお?」
「俺…!
あいが好きなんだ…
付き合ってほしい。」
えっ?
びっくりしすぎて、言葉が出ない。
だって、千里のことをそういう風に見たことはなかったから…
「千里…ごめんなさい…
千里は男友達だから…」
「だよな…わかってる!
今日は先に帰って…」
千里はそう言って、私の背中を押して教室から追い出した。
「ちょっ…えっ…千里!」
ドアを閉められて、開けようとしたけど、声が聞こえてきたからやめた。
「っ…うぅ…」
千里を悲しませちゃった…
私のせいだ…
私が千里を悲しませたんだ…
私にはどうすることもできなくて、その日は1人で帰った。