俺様社長にハートを撃ち抜かれました
禅が仕事に行ったあと、さっき渡されたメモとにらめっこしていた。
「ふぅ…よし!」
番号を携帯に入れて、通話ボタンを押す。
プルルル…
(はい。もしもし)
「あ、もしもし、私、藍羅です。」
(わぁ〜!藍羅ちゃん!電話ありがとう〜)
電話の相手が私だと分かると、お母様のテンションが上がった。
(藍羅ちゃん、今日は暇?)
仕事もないし…
やる事ないよね…
「はい。暇です!」
(まぁ、良かった♡
それじゃあ、うちにいらっしゃい!
私とおしゃべりしましょう?)
「もちろんです!
あの…お家はどちらに…?」
まだ、禅の家には行ったことがないから、場所が分からない。
(あら、藍羅ちゃんはそこに居て〜、
10分後にお迎えが行くから。)
…お迎え…
場所が分からないからありがたいけど…
「ありがとうございます。
それでは後ほどお伺いさせていただきます。」
そう言って、電話を切った。
…って、10分後って!
準備の時間無い…!!
急いでカバンに荷物を入れて、メイクとヘアアレンジをする。
何もしないよりはいいはず!!