俺様社長にハートを撃ち抜かれました
「…」
「…あ、あの…」
パタンと扉がしまってから、無言が続いた。
「はぁ…」
彼がため息をついて、足を崩した。
「ねぇ、あんた、言いたいことあるなら、さっさと言えば?」
えっ!?
さっきまで話していた彼とは、別人みたいな話し方だ。
「あ…えっ…お、お名前は?」
あー、もう、私のバカ…!
そんな事が聞きたいんじゃないのに!
名前も聞きたいけど、今はそれより…
本当にさっきまでと同じ人!?
「…立花禅」
パニクっている私を置いて、彼はそんなことを聞かれると思わなかったのか、ボソッと名前を教えてくれた。
立花…
禅…
禅さん…
禅くん…
なんと呼ぶべき??
戸惑っていると、
「禅でいい…」
「…禅…」
そう言われたから、呼んでみる。
「なんだ?」
あっ…
「よ、呼んだだけです…」