俺様社長にハートを撃ち抜かれました




ドアを開けると、5つのデスクと正面に大きい机があった。



たぶん、正面が禅のだろう。



「社長〜

やっと戻ってきた…!

もう、忙しいんだから、早く戻ってきてください…よ…?」



パソコンに向かって、作業をしていた女の人が言いながら私に気づいた。



「え、こんな時に、奥さん連れ込むなんて…

あなたは何やってるんですか!」



もう1人いた、男の人にそう言われた。



「えっと…」


そう言われて、禅の後ろで縮こまっていると、禅が私を前に押し出した。



「助っ人連れてきた。俺の嫁。」



「あ、藍羅です。」



「え、そうなの?出来るの?」



女の人は、邪魔が増えるとでも言うような顔でそう言った。


「藍羅さん、ご無沙汰しています。

急にありがとうございます。」



さっきは禅に呆れたように怒っていた、男の人が、優しい口調で私に言った。



…うーん…



「あ!」


思い出した。

禅の秘書の人!

結婚式に来ていた人だ。



< 87 / 128 >

この作品をシェア

pagetop