お願いだから、好きだと言って!!
Strategy*1
俺たちを落としてみろ。
「……えっと、ここ?」
ヒューっと音を立てながら、風が通り抜けるのは、私と大きくそびえ立つビルのような高層マンションの間。
白と黒を基調としたこのマンションは、見るからに家賃が高そうだ。
お母さんから手渡された住所と簡単な地図を見る限り、この場所に間違いない。
もう1度そのメモを確認してから、中に入る。
「……っ」
内装も大理石のような輝きを放っていて、思わず言葉を無くす。
高層マンションに来てしまった時点で、今まで狭いアパートに暮らしていた私は、住む世界が違うと感じていたけれど、やっぱり何かの間違いなんじゃないかと疑ってしまう。
流石、高級そうなマンションなだけあって、防犯も完璧。
入口もオートロックになっていて、専用のカードがないと開かないようだ。
私は、お母さんに言われた通り、入口の隣にあったインターフォンのベルを鳴らす。
言われた部屋番号は、『2202』
番号を押してしばらくすると、スピーカーから「はい」と声が聞こえる。
この時に、異変に気づくべきだった。
だって、今戻ればギリギリ間に合ったかもしれない。
「小鳥遊です」
名前を名乗ると解除されるオートロック。
ホテルのようなそのホールに入ると、ツルツルと輝くエレベーターがお出迎え。
それに乗って、22階まで上がり、降りてから『2202』の部屋を目指す。
「ここだよね?」
ドアの横にも、インターフォンがあったので、押すとピンポーンという呼び鈴が中から聞こえてくる。
「……こんにちは」
「……っ!?」
そして、開けられたドアの向こうには、衝撃的なものが待っていた─────
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