お願いだから、好きだと言って!!



「こいつの親、俺の親と知り合いで何度か顔合わせたことがあって、顔見知りなんだよ」



「え、そうだったの?」



蓮くんのその言葉に、まわりのみんなが驚きの声をあげる。



私もその一人。



それ、言っちゃっていいの!?



私はあんぐりと口を開けて驚いた後、内心焦りが止まらない。



「葵は俺のことあまり頼ってこないし、年上の知り合いなんてこいつしかいないから仕方なく来たんだと思うよ」



蓮くんの言葉は、かなりの影響力がある。



今の説明で、騒いでいたみんなが納得していた。



「そっか、そうだったんだね、蓮くん。絃ちゃん、疑ってごめんね?」



「え、あ、うん。大丈夫だよ」



……呆気ない。



あんなに迫られて困っていたのが嘘かのように女の子達は離れていった。



「ごめん、ありがとう。蓮くん」



「別に。お前が間違って口を滑らせたら困るからな」



「……」



蓮くんは、嫌味だけを残して席に戻っていった。


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