お願いだから、好きだと言って!!
何よ、何よ何よ!
せつかく私が感謝してるっていうのに、台無し!
この気持ちを返してよ。
早速蓮くんはもう女の子たちに囲まれてニコニコしてるし……
あんな奴、女の子たちに裏切られてひとりぼっちになっちゃえばいいんだ!
1回地獄にでも落ちちゃえ!
もう!
「……絃、大丈夫だった?」
まわりが落ち着いてきた頃、近くにずっといてくれた瞳が声をかけてくれる。
「大丈夫よ!もう、知らないんだから!!」
「絃、誰に怒ってるの?」
「アイツよ、蓮くん!もうあんな奴、好きになってもらわなくていいんだから!」
「ふ〜ん、蓮くんねぇ?」
「えっ、あ……」
あれ、私、今……
とんでもない失態を犯しちゃいました?
そんなに大きな声では言っていなかったから、周りにも蓮くんにも今の言葉は聞こえていなかったみたいだけれど、瞳にはばっちり聞こえていたみたいだ。
「ちょーっと、絃ちゃん?正直にぜーんぶ話してもらいましょうか?」
ひぃ……
どこかの悪魔だ……
どこかの大魔王様だ。
それくらい瞳の笑みが怖い。
「わ、わかりました……」