お願いだから、好きだと言って!!



そして、迎えた土曜日。



「エプロンと三角巾は持ってきた?」



「うん、大丈夫」



「よし、レッツゴー!」



何故か今日もテンションの高い瞳と一緒に、料理教室へと向かう。



教室は、駅近くのビルの中の一角にある。



今回の料理教室は、全国で開かれていて、高校生向けに去年から新しく企画されたらしい。



それが結構人気があるらしく、予約を取るのも困難なんだとか。



そんな倍率の高い料理教室の予約を取れたなんて、瞳の運の強さには驚いてしまう。



あのあと瞳からチラシのコピーを貰ってよく読んでみると、今日のテーマは和食。



メインは家庭の味と言えば……?



というランキングに必ず入りそうな定番料理、肉じゃが。



私のために応募したなんて言っていた瞳だけど、上手くできたら彼氏に食べさせるなんて言いながら楽しそうにしていた。



「絃、絶対試してみるのよ?」



「わかったよ」



全く自信がないけど、試してみなかったあとが怖い。


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