お願いだから、好きだと言って!!
「いやー、美味しかったね!」
「うん、今日料理教室に来てよかったよ!」
最初は突然瞳に誘われて、ほぼ強制的に参加させられた料理教室だったけど……
いろいろ勉強になったしね。
あまりにもその美味しさに感動して、しっかりレシピもメモしてきた。
「さっそく彼氏に作って、ぎゃふんと言わせてやるんだから」
瞳は、やる気満々だ。
感動した肉じゃがをご馳走して、驚かせたいんだって。
瞳の作る料理は、泊まりに行った時に何度か食べさせてもらったけど、そのままでも十分美味しいのにな。
「絃も作ってあげるんでしょ?」
「あー、うん……」
確かに食べたことがないくらい美味しい肉じゃがだった。
きっとあの3兄弟も美味しいって思うはず。
だけど……今日は瞳と作ったけど、次作るとなると私一人。
食べられないようなものは作ったことはないとはいえ、私だけの力じゃあんなに美味しいものが作れるだろうか。