お願いだから、好きだと言って!!



「……ん?」



「あっ」



俺が額に何かを感じ声を漏らすのと、絃ちゃんがハッとした声を出したのはほぼ同時だった。



「何、これ」



「あの、ごめんなさい……」



絃ちゃんの手元に視線を移すと、しっかり握られているじゃがいもとピーラー。



まさかとは思うけど。



違和感を感じる額に手を伸ばし、それを額から剥がすように取る。



「……、あのさ、どうしたらその皮がこっちまで飛んでくるの?」



「えーっと、なんでですかね?」



……この子は、バカか?



バカなのか?



いや、とんでもなくバカでアホだ。



大体3メートルくらい離れているキッチンとリビングにある俺が座っていたソファー。



どんなふうに皮をむけば、ここまで飛んでくるんだろうか。



そして、どんなコントロールをしたら俺の額に飛んでくる?



……見ていられない。


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