お願いだから、好きだと言って!!
でも、俺の体は無意識に拒否反応を起こして、飛び避けた俺は、後ろにある冷蔵庫に背中をぶつけた。
女と触れることも関わることも避け続けた俺は、こんなにも拒否してしまう体になっていたなんて……
自分でも思っていなかった。
まだあの恐怖からは抜け出せてないってことか。
……情けないな。
「大丈夫ですかっ!?」
包丁を置いて、俺に近づいてくる絃ちゃん。
俺にも思いやりという気持ちくらいはわかっている。
絃ちゃんは、こんな情けない顔をしながら拒否して、物に体をぶつけてしまった俺を心配してくれているだけ。
俺の事をいい獲物だと思って近づいてくるあの女たちとは違う。
頭の中ではちゃんとわかってるんだ。
わかっているけれど……
「触るなっ!そこから一歩も近づくな」
……思わず、叫んでしまった。
目の前にいる絃ちゃんは、肩を震わせながら立ち尽くしている。
そんなことをしたいわけじゃない。
だから、嫌だったんだ。女と一緒に住むなんて。