お願いだから、好きだと言って!!



「おい、雅ー!見ろよ、これ!やっとA判定出たんだよ!!」



「うるせぇ!んなの、見たくもない……」



「ちょ、雅!?どうしたんだよ!おい、待てって!」



止める友達を無視して、俺はそのまま早退した。



プライドが高かった俺は、何も悪くない、頑張って努力が実った友達に腹が立った。



あいつは何も悪くない。



必死に頑張っていたことだって知ってる。



たまに俺が一緒について勉強だってした。



少しずつだけど、着々と成績を伸ばしてきたんだ。



それのに、俺はなんだ?



なんだよ、このざまは。



頭をガシガシとかいて、行く宛もなく歩き続けた。



「んだよ……」



適当に歩いてきたところは街の中。



日が暮れるのが早く、当たりは暗くなり始めている。



そこに煌めくイルミネーション。



そう、今は恋人たちの集まるクリスマスシーズンだ。



受験生の俺らには、楽しむ余裕もなくすっかり忘れていた。



俺の心とは裏腹に、綺麗に輝くイルミネーション。



ウザイ、そう思った。



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