お願いだから、好きだと言って!!



「絃ちゃんが今まで食べてきたキャベツの千切りってこんなに太くて長かったかな?」



「もう少し、短かったと思います」



私の目の前にあるそれは、キャベツの千切りとは程遠く……



幅はメンマのようで、長さはどこまで続くのかというくらい、紐のように長い。



「あはは、あはははは〜」



料理って、難しい。



全然、上手くいかないじゃん!!



料理というものを本格的に初めて、はや2週間。



できるようになったことと言えば、皮むきの時に皮を違うところへ飛ばなくなったこと。



炒める、煮るをできるようになったこと。



あれ……これって小学生でも出来るんじゃ?



「笑い事じゃないよ。これじゃ絃ちゃん、いつまで経ってもお嫁に行けないよ?」



「……っ」



ガーン。



この効果音がよく似合う。



雅さんにそんなことを言われちゃ、お先真っ暗だよ。



「酷いです、雅さん」



「酷いも何も、事実でしょ?」



そう、雅さんはこういうことを悪気なく言ってしまうんだ。



わざとからかってくる蓮くんより、さらにタチが悪い。




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