お願いだから、好きだと言って!!
「ただいま〜」
「あ、おかえり」
「おかえり、葵くん」
夕飯の支度も仕上げに取り掛かろうとした頃、葵くんが帰ってきた。
サッカーの道具が入ったスポーツバッグは重そうなのに、葵くんは軽々しく持っている。
「ねぇ、絃ちゃん、スープ沸騰してるよ?」
「あ、わわっ!」
葵くんに気が取られて、雅さんに言われてから目の前のスープが沸騰していたことに気がついた。
危ない、危ない……
危うく吹きこぼれてしまうところだった。
「ありがとう、雅さん」
「別に。ちゃんと見てないと絃ちゃんが怪我するよ」
「はい、ごめんなさい……」
私と雅さんが話していると、制服を着たままこちらをじっと見ている。
「葵くん?」
「あっ、ごめんね?あの日からさ、仲良いなって思って」
「仲が良い?」