お願いだから、好きだと言って!!


「あーっ、来たきた!やっぱり女の子じゃん、可愛いー!」



「……うわぁっ」



おそらくリビングの方から顔を出したその子は、私と目が合った瞬間満面の笑みを浮かべて走ってきた。



その勢いでいきなり抱きつかれる。



「なっな……」



男の子に抱きつかれるなんて初めての経験で、心臓はバクバクと大きな音を立てるし、身体は熱いし……



とにかく恥ずかしくてどうにもできない。



「ねぇねぇ!名前は何て言うの?」



解放されたかと思えば、両肩を掴まれてキラキラとした目で見つめられる。



その目の前にいる男の子は、とても可愛らしい。



そんなうるうるとした瞳に、ドキッとしてしまう。



「絃……小鳥遊絃です」



「絃ちゃん!名前も可愛い〜絃ちゃんって呼んでいい?」



もう既にそう呼んでるじゃんと思いながらも、初対面の人にツッコミを入れられるほど私は出来ていない。



こくんと1回だけ頷いた。



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