お願いだから、好きだと言って!!



マンションについたら、まずオートロックを解除してもらうためインターホンを鳴らす。



今更だけど、家に誰もいなかったら鍵がない私はどうするんだろう。



いつもタイミング良く誰かが帰ってきていて良かったと思う。



「い、絃ちゃん……だよね?」



「うん、そうだよ?」



「……今、開けるね?」



インターホンの向こう側で話していたのは葵くん。



でも、なんか様子がおかしかったような気がする。



こっちからは分からないけれど、防犯がしっかりしているこのマンションはモニターが付いているから、部屋からはここの映像が見られるんだ。



だから、葵くんはモニター越しに私の姿を見たことになる。



……私、変だったかな?



慣れないことをしている訳だから、なんだか心配になる。



2ヶ月間一緒に暮らしてきて、佐伯家3兄弟のことを少しはわかるようになってきた。



だからか、居候を始めた当初より、3人を惚れさせようという焦りはあっても威勢はなくなってきているような気がする。



自信が、ない……



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