お願いだから、好きだと言って!!
解除されたドアの中に入り、高級感あふれるホールを通り、エレベーターで22階へ上がる。
私が帰ると、あらかじめ部屋の鍵は開けてくれているから、ガチャっとドアを開けて中へ入る。
すると、最近は出迎えることが減ってきていた葵くんが立っていた。
「葵くん」
「……おかえり、絃ちゃん」
「その、どうかな?」
突然聞くのも恥ずかしいけど……
やっぱり気になるものは、気になる。
「可愛いよ?とっても可愛い。ますます好きになっちゃうくらい!」
どストレートに好きと伝えてくる葵くんに、私の心臓はドキドキと騒ぎ立てる。
「あ、ありがとう」
なんて答えていいかなんてわからず、とにかくお礼を伝えた。
ただ、気になるのはいつもの無邪気な笑顔とは違って、どこか引きつっているところ。
長いこと一緒に入れば、雅さんの変化にも気づいたように、葵くんのいつもとの違いにも気づけるようになった。