お願いだから、好きだと言って!!
けれど、絃はそのあと1週間、家に帰っては来なかった。
「帰ってこないね、絃ちゃん」
久しぶりの3人で囲む食卓。
今まで親が海外へ行ってから、3人で食べることが当たり前だったのに、たったの2ヶ月がどれだけ印象深かったのか……
物足りなさを感じる。
「まぁ、学校には来てるし、元気にしてるだろ」
「なぁ蓮、絃ちゃんに過去を話す気はないのか?」
「んだよ、雅。絃に俺の過去を話してどうすんだよ。関係ねぇーだろ?」
そう、絃に俺の過去なんて関係ない。
けれど俺は、あの姿の絃を受け入れることは出来ないと思う。
教室で見かける絃にもイライラが止まらない。
この1週間は、なるべく視界に入れないように過ごしていた。