お願いだから、好きだと言って!!
待って……
「ここ、蓮くんの家なの?」
「そうだけど」
初めて喋った蓮くん。
それは学校で見る蓮くんとは違って、素っ気ない。
ちょっと待って?
同じ高校に通う子って蓮くんこと?
「あの、他に妹とか……」
「いないよ!雅兄と蓮兄と僕だけ!父さんと母さんは海外だからいないんだ」
そっか、同じ境遇なんだ……ってそれどころじゃないんじゃない?
だって、これからこの雅さんっていうお兄さんと蓮くんと葵くんと同居するってことだよね?
「む、無理だよ……っ」
でも、どうするの?私。
私には帰る家がない。
「俺も無理」
そう呟いたのは、お茶を飲みに来ていた雅さん。
「じゃあ、こうしたら?」
突然立ち上がって私の前に立つ蓮くん。
「……っ」
クイッと顎を持ち上げられて、下を向きかけていた顔が無理矢理上を向かされる。