お願いだから、好きだと言って!!





***




「蓮くん、一緒に帰ろう?」



「あぁ、ちょっと待って」



お互いに部活がない日は、一緒に帰る。



それが俺と当時の彼女、真里奈(まりな)の日課だった。



「お待たせ」



「じゃあ行こ?あのね、学校の近くにクレープ屋さん出来たんだって!食べに行かない?」



「お前甘い物好きだもんな」



告白は、真里奈からだった。



中学2年生になって同じクラスになった真里奈。



珍しい地毛のアッシュブラウンの髪は、クラス中の目を惹く。



ふわふわとしている性格かと思いきや、積極的な真里奈を好いている男子は、それなりに多かった。



そんな真里奈から、告白を受けたのは中学2年生の夏。



校舎裏に呼び出されて、晴れて俺たちは付き合うことになった。



最初はクラスの男子と同じように可愛いなと思う程度だった。



当時好きな女がいなかった俺は、まぁ付き合ってみてもいいかと適当な理由でOKの返事をした。



俺と真里奈が付き合ったことはすぐに広まって、公認のカップルになっていた。



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