お願いだから、好きだと言って!!




「……で?何食べたいの?」



クレープ屋に着いた俺たちは、メニュー表を覗く。



「じゃあ……いちご生クリーム!」



「ん、わかった」



中学3年生になり、付き合い始めてからもうすぐ1年になる。



「はい」



「ありがとっ」



クレープを美味しそうに頬張る真里奈が愛おしい。



一緒に過ごしていく中で、少しずつ惹かれていった。



一つ一つの仕草が可愛い。



「生クリーム付いてる」



「えっ」



口元に付いていた生クリームを人差し指でなぞり取って、ぺろりと舐める。



本当に甘い。



「もう、蓮くんのバカっ!」



「ふーん、そんなこと言っていいんだ」



「意地悪な蓮くん」



いじりがいがあるから面白い。



戸惑う仕草がそそる。



俺のことが好きだと笑う真里奈に、いつの間にか本気で恋をしていた。



……なのにだ。



裏切られたのは、それから数日後の事だった。



< 185 / 260 >

この作品をシェア

pagetop