お願いだから、好きだと言って!!
「……で?何食べたいの?」
クレープ屋に着いた俺たちは、メニュー表を覗く。
「じゃあ……いちご生クリーム!」
「ん、わかった」
中学3年生になり、付き合い始めてからもうすぐ1年になる。
「はい」
「ありがとっ」
クレープを美味しそうに頬張る真里奈が愛おしい。
一緒に過ごしていく中で、少しずつ惹かれていった。
一つ一つの仕草が可愛い。
「生クリーム付いてる」
「えっ」
口元に付いていた生クリームを人差し指でなぞり取って、ぺろりと舐める。
本当に甘い。
「もう、蓮くんのバカっ!」
「ふーん、そんなこと言っていいんだ」
「意地悪な蓮くん」
いじりがいがあるから面白い。
戸惑う仕草がそそる。
俺のことが好きだと笑う真里奈に、いつの間にか本気で恋をしていた。
……なのにだ。
裏切られたのは、それから数日後の事だった。