お願いだから、好きだと言って!!
───コンコン
もう1度、瞼を閉じようとした時、俺の部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「蓮くん、入ってもいい?」
ドアをノックしたのは、絃らしい。
今、絃を部屋の中へ向かい入れたとしても何も話すことはない。
そのうち諦めて戻るだろうと、俺を呼ぶ声を無視して、再び目を閉じた。
「蓮くん、寝てるの?」
絃は音を立てないようにゆっくりとドアを開ける。
静かな部屋の中には、音を立てないように気をつけていても微かな音は少なからず響いてしまう。
目を閉じている俺は、その分耳が研ぎ澄まされていて、はっきりとその音は聞こえた。