お願いだから、好きだと言って!!







***



それから3日後の月曜日。



学校から、久しぶりに佐伯家に帰る。



たった1週間と少しの家出なのに、長い間旅をして帰ってきた気分。



絶対蓮くんに理由を聞き出すと決意して帰ってきたとはいえ、やっぱり緊張は止まらない。



高級マンションのインターホンを鳴らすと、出てくれたのはやっぱり葵くん。



その声さえも懐かしく感じた。



「……ただいま」



「おかえりー!もう、絃ちゃんが居なくて寂しかったんだから」



どんな顔をして会えばいいだろう……



そんな不安も吹き飛ばすくらいに、葵くんが飛びついてきた。



その反動で自分の身体が支えられずによろけてしまう。



でも、ついこの前と変わらない葵くんの笑顔に、私も笑顔になった。



< 197 / 260 >

この作品をシェア

pagetop