お願いだから、好きだと言って!!




そのまま言葉を吐き捨てた蓮くんは、私の横をすり抜けて自室へとこもってしまった。



思ってはいたけど、上手くいかないね。



たったの2ヶ月だけど一緒にいてわかるもん。



蓮くんはこの3兄弟の中でも1番頑固で素直じゃない。



「絃ちゃん……」



その場で私たちのやり取りを見ていた葵くんと雅さんは、眉をハの字にしながら私のことを見つめていた。



「ふたりとも、そんな目で見ないでよ。きっとこうなるってわかってたから」



ちゃんと受け入れられるように、瞳と話してからの3日間たくさん考えて意を決してきたんだから。



「それよりさ、教えてくれないかな……蓮くんに何があったのか」



無意識のうちに私が悪いことをしてしまったのかもしれない。



例え嫌な奴でも、原因が私にあるんだったら、気をつけられることなら気をつけたいから。



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