お願いだから、好きだと言って!!




「わかった。話すよ」



「雅兄、いいの?」



「絃ちゃんはもう俺たちの家族同然でしょ?もし蓮になんか言われたら、俺のせいにしていいから」



"絃ちゃんはもう俺たちの家族同然"



そんな言葉を雅さんから言ってもらえるなんて、思ってもいなかった。



「い、絃ちゃんっ!?なんで泣いてるの!」



私の様子に気づいて、葵くんがパタパタと寄ってくる。



突然涙がこぼれ落ちたことに、私自身もびっくりしている。



「あのね、雅さんが私のこと、家族同然って言ってくれたのが嬉しくて……」



本当に嬉しかった。



涙を浮かべながらもニコッと微笑みかけると、少し照れた表情を見せる雅さん。



なんだ、可愛いところもあるじゃん、雅さんも。



そんなことを思っていたのに。



「……っ!?」



「男をあんまりからかわない方がいいよ。……話してあげるからソファーに座って?」



びっくりした……



だって、突然近づいてきて、指で私の涙を拭うんだもん。



かっこいい、なんて思っちゃったじゃん。



いや、イケメンに変わりないんだけど。



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