お願いだから、好きだと言って!!






雅さんと葵くんに背中を押されて、蓮くんの部屋の前に立つ。



本当の本当は、まだ自信はない。



でも、後戻りするつもりもない。



まだ何も出来てないんだから、逃げるのはやってみてからでもいいはず。



1度深呼吸をして、ドアをノックした。



───コンコン



「蓮くん、入ってもいい?」



ノックして声をかけてみるけれど、返事は返ってこない。



そうだろうとは思っていたけれど。



こうなれば、強行突破だ。



ゆっくりとドアを開けると、部屋の中は真っ暗だった。



廊下の光でうっすらと照らされたその先にあるベッドの上に人影を見つけた。



「蓮くん、寝てるの?」



ベッドの上に寝そべる蓮くんに、そう問いかけるけど、やっぱり返事はない。



本当に寝ているのか、寝たふりをしているのか。



もし本当に寝ていているのなら、起こしたら悪いと、物音を立てないようにゆっくりと部屋の中に入る。



忍者のように蓮くんの元へ近づいて、その横にゆっくりと腰をおろした。



< 206 / 260 >

この作品をシェア

pagetop