お願いだから、好きだと言って!!




「寝てるかな、起きてるかな……何も言わなくていいから、聞いててね」



なんとなく蓮くんは聞いてくれている気がして、ぽつりぽつりと話し始める。



「全部、葵くんと雅さんから聞いたよ。私はね、ただ……蓮くんたちをおとすって約束だったから、イメチェンをして脅かしたかっただけだったの」



きっと、私の思いが……



雅さんと葵くんの気持ちも伝わりますように。



「ただ、それだけだった。でもそれが蓮くんを苦しめていたなんて……本当に、ごめんなさい」



私が謝ると、蓮くんの体が一瞬だけど、ピクリと動いた気がした。



やっぱり蓮くん、聞いてくれてるのかな。



壁の方を向いたままの蓮くんの表情はわからない。



目をつぶっているかもしれないし、もしかしたら目を開けているかもしれない。



怒っているかもしれないし、またあの悲しそうな目をしているかもしれない。



< 207 / 260 >

この作品をシェア

pagetop