お願いだから、好きだと言って!!



「ははっ、お前が俺を守るって?バカ?」



「……はぁ?」



ねぇ、今ってすごくいいシーンじゃない?



うるっと来るような、そんなシーンじゃないの?



すべてこの人の発言でぶち壊しだよ。



「きゃっ」



私の下にいたはずの蓮くんが、一回転して私の上にいる。



私の下には、蓮くんの匂いがするふわふわの布団。



……これって、危険?



頭の中で危険信号が鳴る。



「色気は全くないとはいえ、男の部屋にノコノコと入ってくるなんて、それなりの覚悟が出来てるんでしょ?」



「えっ、なっ……ちょっと待ちなさいよ!!」



頭から頬、顎……と大きな手で撫でられる。



私の手は蓮くんの左手で拘束されていて、身動きが取れない。



「や、やめっ」



少しずつ蓮くんの顔が近づいきて、ファーストキスを奪われたあの日を思い出す。



やばい、このままじゃキスされる……!



そう思って、逃げようとしても逃げられない私は、ぎゅっと固く目をつぶる。



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