お願いだから、好きだと言って!!



「……い、おい。起きろよ、バカ」



「んぅ……っ」



「寝ぼけてんのか?ここに置いてくぞ」



「へっ!?」



「やっと起きた。本当お前、バカ」



重い瞼を開けると、どアップの蓮くんの顔がある。



その表情は、なんとなく怒っているようにも見える。



「あのさ、こんな所で寝て危ないと思わないわけ?そのうちお前、誘拐されるよ?」



私が寝てしまっていたらしいところは、オートロックの扉の前のスペース。



確かに危険、かもしれない。



「俺がすぐ帰ってきたから言いものの……本当バカ、アホ」



「そんなバカとかアホとか言わなくたっていいじゃん……!って、もしかして私のこと心配してくれてたの?」



「はぁ?んなわけねーだよ。いつまで寝ぼけてんの、バカ」



「ったあ!女の子に暴力振るうなんて最低!」



上からゴツンといきなり振ってきた蓮くんのゲンコツ。



仮にも女の子にゲンコツなんてありえなくないですか!?



< 221 / 260 >

この作品をシェア

pagetop