お願いだから、好きだと言って!!
「……い、おい。起きろよ、バカ」
「んぅ……っ」
「寝ぼけてんのか?ここに置いてくぞ」
「へっ!?」
「やっと起きた。本当お前、バカ」
重い瞼を開けると、どアップの蓮くんの顔がある。
その表情は、なんとなく怒っているようにも見える。
「あのさ、こんな所で寝て危ないと思わないわけ?そのうちお前、誘拐されるよ?」
私が寝てしまっていたらしいところは、オートロックの扉の前のスペース。
確かに危険、かもしれない。
「俺がすぐ帰ってきたから言いものの……本当バカ、アホ」
「そんなバカとかアホとか言わなくたっていいじゃん……!って、もしかして私のこと心配してくれてたの?」
「はぁ?んなわけねーだよ。いつまで寝ぼけてんの、バカ」
「ったあ!女の子に暴力振るうなんて最低!」
上からゴツンといきなり振ってきた蓮くんのゲンコツ。
仮にも女の子にゲンコツなんてありえなくないですか!?