お願いだから、好きだと言って!!




「……はぁ」



もうため息が止まらない。



ううん、ため息よりも涙が止まらない。



「何泣いてんだよ」



「違うよ、玉ねぎのせいなんだからぁ!」



さっき蓮くんが右手にぶら下げていた買い物袋の中身は、帰り道にスーパーで買ってきた焼きそばの材料。



今日は雅さんがアルバイトだから、蓮くんが料理担当の日。



今までも何度があったけど、蓮くんの焼きそばは居候を初めてすぐに食べた以来で、久しぶりだ。



肉じゃがを作ったあの日から、ほぼ毎日雅さんの料理の手伝いをして、料理を学んできた私。



今日も当たり前のごとく料理の手伝いをしようとキッキンに立つ。



……まではよかったんだけど。



< 223 / 260 >

この作品をシェア

pagetop