お願いだから、好きだと言って!!
「涙で玉ねぎ濡らすなよ?しょっぱくなる」
「なら、蓮くんがやってよっ」
「はぁ?お前が手伝うって言ったんだろ?最後まで責任持てよ」
「うぅ……」
嵌められた……
まんまと蓮くんに嵌められた。
最初から私をからかうために。
「はぁーっ、やっと終わったぁ……」
たった一個半の玉ねぎを切るのに、どれくらいの時間を要しただろうか。
少しずつ料理にもなれて、切るのも上手くなってきているはず……だけど。
目が痛くて、涙が止まらなかったせいで、全然進まなかった。
他の具材はもう全て下ごしらえが終わっていて、蓮くんの仕事の速さにあっと驚く。
蓮くんに負けたなんて……
やっぱり私、お嫁に行けないんじゃ……
あぁ、最悪だ。