お願いだから、好きだと言って!!
「ねぇ、邪魔なんだけど。次、シンクの中の全部洗ってくれる?洗い物くらい出来るだろ?」
「はいはい、わかりましたよーだ」
いちいち指図しないでよね。
蓮くんは私のことをバカにしすぎだと思う。
今まで女遊びばっかりしてきたくせに、女の子の扱い方もわからないわけ!?
なんでこんな奴が女の子にモテるんだろ……
納得がいかない。
「おい、バカ」
「……えっ、なぁっ!?」
また貶されたと思えば、スっと私の後ろにまわった蓮くん。
その後ろから腕が伸びてきて、私の袖をクルクルと巻き上げる。
「ちょっ……」
「動くなよ?俺に泡なんてつけたらただじゃおかねーよ」
「……んなっ」
腹立つのに、ムカつくのに……
なんで私ったら、こんなにドキドキしてるのよっ。
大きな腕に包まれている。
振り向いたらぶつかってしまいそうなほど近い蓮くんの顔。
蓮くんが喋るたびに、吐息が私の頬をかすめる。
何よ、何よ……蓮くんのくせに。