お願いだから、好きだと言って!!




「はぁ……」



「あー、また絃ちゃんため息ついてる。幸せ逃げちゃうよ?」



「あ、葵くん……って!」



お風呂上がりの葵くんが、上半身裸で立っている。



バスタオルで髪をくしゃくしゃと拭く姿は、なんだか色っぽい。



「あぁ、ごめんね絃ちゃん。……ドキドキしちゃった?」



「そ、そういう訳じゃ!」



「ふふ、図星なんだっ」



私のことをからかって、ニコニコ笑う葵くん。



やっぱり佐伯家って、3兄弟とも同じ血が流れてるよね……。



だんだんと3人の私に対する扱い方が似てきたもの。



以前から感じてたけど、こうして見ると改めてそう思う。



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