お願いだから、好きだと言って!!
「久しぶりだね、絃ちゃんの髪の毛乾かすの」
「確かに……どれくらい前だっけ?」
記憶を辿って考える。
確かあれは、まだこの家に来てから数週間くらいしか経っていなかったような気がする。
それがもうすぐ3ヶ月か……
「3ヶ月ってあっという間だね」
「僕は絃ちゃんともう1年くらい一緒にいる気分だよ」
「それは盛りすぎじゃない?」
「そんなことないよ」
髪の毛を乾かしてもらっていると、心地よくて眠たくなってくる。
厄介な3兄弟しかいないけど……
この家はやっぱり落ち着くな。
お父さんとお母さんがいつこっちに帰ってこられるかはわからないけど、それまではまだここにいたい。
そう思う。
「よし、終わったよ」
「ありがとう、葵くん」
「どういたしまして」
お礼に葵くんの髪の毛も乾かしてあげようかと思ったけれど、振り返って見たらもうほぼ乾いていて……
男の子って髪が短くて、乾くのも早いから羨ましいなんて思ってしまった。