お願いだから、好きだと言って!!
「絃ちゃん、絃ちゃーん、起きて?」
「……んぅ」
誰、こんなに気持ちよく寝ている時に……
必死に遮ろうとするけれど、私を呼んで身体を揺する動作は終わらない。
「もう、可愛いんだから。早く起きないとキスのイタズラしちゃうよー?」
「はっ!」
耳元でそう囁かれて、初めて身体がぶるっと震えて飛び起きた。
「あははっ、絃ちゃんって面白い!からかいがいあるね!」
……なんかそれ、どこかで言われた気がする。
そんなことより、
「ここ、どこ?」
「あれ、忘れちゃった?佐伯家だよ〜僕の家!」
「ふぇ!?だ、誰って……葵くんか」
そうだ、私今日から佐伯家にお世話になることになったんだった。
確か荷解きを始めて、ある程度落ち着いた頃には疲れちゃって……
ベッドに倒れ込んだら、あまりにもふかふかで気持ちよすぎてそのまま寝ちゃったんだ。