お願いだから、好きだと言って!!




温かめに設定してくれていたお湯の温度はちょうどいい。



雨で濡れて冷えてしまった体を、ゆっくり温めてくれた。



お風呂から上がると、雅さんが作る夕飯の美味しそうな匂いが漂っていた。



今日の晩御飯はなんだろう。



……この匂いって



「ハンバーグ?」



「ん、当たり」



思わず呟くと、キッチンの方から短く返事が返ってきた。



「あ、雅さん。制服ありがとうございます」



ハンガーにかけてシワを伸ばして干してくれていた私の制服。



雅さんは結構几帳面だから、そういうところはしっかりしている。



「今日は俺がやるから」



多分、今日は手伝わなくていいってことだろう。



本当に申し訳ない。



こんなによくしてもらって。



……なんだろ、なんか泣きそうだ。




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