お願いだから、好きだと言って!!
「えっ、はっ?い、絃ちゃん?なんで泣いてるの?」
料理に夢中になっていた雅さんが、ふと私の異変に気づく。
普段はクールなくせに、予想外なことが起きると、急にそのキャラが崩れてしまう雅さん。
そんな雅さんもすきですよ。
「……ふふっ」
思わず泣きながらも、笑ってしまう。
「え、泣いてるの?笑ってんの?」
「あーっ!雅兄、絃ちゃんのこと泣かせたー!!」
「はぁっ!?待てよ、俺は何もしてない」
「絃ちゃん、大丈夫ー?」
こうやってすぐ私の元に駆けつけてくれる葵くんも好きだよ。
可愛くて、葵くんだって男の子なんだって思う時もあるけど、やっぱり弟ができたようで嬉しいんだ。
「ごめんね、違うの。……私が、勝手に泣いてるだけ」