お願いだから、好きだと言って!!






その日の夕食のハンバーグは、やっぱり美味しかった。



雅さんの味。



いつか、この味がお店に並ぶのかと思うとわくわくする。



それと同時に、これからも毎日食べられる蓮くんと葵くんが羨ましいし、ずっと独り占めしたいとも思ってしまう。



思い返せば、胃袋を掴まれてしまったのは私の方なんじゃないかと思う。



いつもは賑やかな夕食も、今日は静か。



それは、私がまだ目に涙を浮かべてしんみりしてるから。



本当はいつものようにワイワイしたいんだけど……どうも気分がのらない。



不安と寂しさとで心が張り裂けそう。



結局その日は、4人で過ごせる最後の夜だったかもしれないというのに、そのままろくに会話も出来ずに終わってしまった。







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