お願いだから、好きだと言って!!




「ねぇ、お願いだから、好きだと言って!!」



いつもからかわれてばかりだから……



少しだけ意地悪してみたいと思った。



「だーいすきだよ、絃ちゃんっ」



葵くん……



「絃ちゃんのことは好きになれる気がするよ」



雅さん……



「……好き、だなんて言うと思ったかバーカ。俺に惚れたら言ってやるよ」



「……!?」



本当、やだ。



この人だけは。



でも……これで私は。



「私、まだここにいていいってことだよね?」



「うん、もちろん!」



「これからもよろしくね」



葵くんも雅さんも、歓迎してくれた。



「今日は絃ちゃんの歓迎パーティーだね?」



そんな無邪気な笑顔を見たら、目に浮かんでた涙も吹っ飛んじゃうよ。



思わず釣られて笑顔になってしまう。




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