お願いだから、好きだと言って!!
余程私が起きるのが遅かったのか、蓮くんは半分ほどしか残ってないし、雅さんは食べ終わってお皿を下げていたところだった。
「いただきます……」
静かに手を合わせて、雅さんが作った手作りハンバーグを口に運ぶ。
「……美味しいっ」
あまりにも感動して、目を見開き、手が止まってしまう。
でしょ?と何故か自慢げな葵くん。
「別に、雅の料理とか普通じゃね?」
「なら、食べなくてもいいよ蓮」
な、なんか気まずい……
明らかに不機嫌だよね、2人とも。
私が歓迎されていないことは、確かだ。
全く、とんでもない所に来てしまったものだ。
文句を言いながらも全て平らげた蓮くんは、お皿を持って立ち上がる。
「あ、そうだ。お前さ、学校で俺らと同居してるとか間違ってもバラすなよ?」
「そんな、言うわけないよ!」
だって、蓮くんと同居してますなんて言ったら、殺されるのは私だよ。
この一週間で、どれだけ蓮くんが女の子から人気なのかがよくわかった。
その人たちを敵に回すなんて、そんな勇気は微塵もない。