お願いだから、好きだと言って!!
「さぁ、まだあるわよ!」
「ま、まだあるの?」
瞳の引き出しは恐ろしい。
やっぱり、瞳は私のぶりっ子大作戦にノリノリなようで、楽しそうだ。
「次はアヒル口。コツとしてはね、きゅって言うのよ」
「きゅ?」
「口角を少しあげて、唇を中央に集めるんだけど少し口を開けるの」
「えーっと、」
瞳に言われたように、口角を上げてみたり、実際にやってみたけれど、なかなか上手くは行かない。
「あはははっ、絃ったら最高」
「もー、そんな笑うことないじゃん」
「だって、変顔レベルよ、その顔」
「……酷い」
私は、あの厄介な3兄弟を落とすために必死だというのに。
今後の未来のために、何としてでも一刻も早く落とさなきゃいけない。
「はい、鏡。これ見ながらやってみなさい」
「ありがとう」