お願いだから、好きだと言って!!



「だって、瞳さっきまで泣きそうに……」



「うーそーよ!ただの演技!もう、相変わらず絃は、からかいがいがあるわー」



「瞳、サイテー」



私の零れそうになった涙を返せ…!



バカバカ、と未だニヤニヤする瞳に仕返しをしながら、新しい教室。



2年C組へと向かう。



「簡単に騙される絃が悪いのよ」



私はいつもこうだ。



何でもかんでも素直に受け止めてしまう癖があるみたいで、いつも瞳に騙される。



何度もされているのに、本当に私は学習能力がない。



去年、1年生の教室は4階で、毎日毎日文句を言いながら登っていたけれど、2年生になり教室は3階になったことで、教室までの道のりは早く感じた。



「みんなおはよー」



「あ、瞳ー!」



「おー棚橋じゃん!同じクラスなんて超ラッキー」



教室に入るなり、瞳が挨拶をすると返事がたくさん返ってくる。



とっても美人さんな瞳は、もちろん男子生徒からも注目の的。



ずっと隣にいるけれど、告白に呼び出されていたことも何度か……



でも、他校に彼氏がいるため、OKしたことは一度もない。



そして、瞳はこのボジティブで明るい性格から、女の子からも人気が高い。


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