お願いだから、好きだと言って!!



私とした事が……!



どうするのよ、私。



帰れなかったら、このまま野宿!?



そんなの絶対嫌よ。



なんとか記憶を頼りに道を進んでいく。



何となく見覚えがあるような、ないような。



たかが数回通った道なんて、滅多に覚えちゃいない。



「……こんなとこ、通ったっけ?」



歩けば歩くほど、わけのわからない道に出る。



「どうしよう。あ、電話!」



私には同居人が3人もいるじゃない!



なんでもっと早く気が付かなかったんだろう。



厄介な3兄弟だけど、困ってる人を助けてくれるくらいの心は持ち合わせているはず。



制服のポケットの中からスマホを取り出して、電源を付ける。



そして、そこで私は、重要なことに気がついた。



「待って……私、3人の連絡先知らない」



そう言えば、連絡先を教えて欲しいと言ってもいないし、言われてもいない。



ましてや私は、葵くんを除いて歓迎されてないわけだし……



「はぁ、これ、本当に野宿かも」


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