お願いだから、好きだと言って!!
まずは、目の前を歩く蓮くんにだ。
さっきは撃沈してしまったけれど、次こそは!
私は、そっとやちょっとじゃめげないんだからね!
私を置いていくように前を歩く蓮くんだけど、その一定の距離が保たれるように少しだけ後ろを気にして歩く蓮くん。
小走りで近づいて、きゅっと蓮くんの服の裾を掴む。
こんな事、初めてだから……
心臓がバクバクと大きな音を立てる。
ドキドキみたいな、甘いものじゃない。
これは、私の未来のため。
全ては、居候としてでも住む家を確保するため……!
「蓮くんっ、さっきはありがと〜っ」
その顔は迷惑そうだったけど、振り返った蓮くんに全力のぶりっ子でお礼をする。
首を傾げて、上目遣い!!
よし、次こそ決まったんじゃない?
「……っ」
だって、蓮くんがじっと私のことを見てるから。
……え、見てる?
目がバッチリ合って、男の子とこんなに目を合わすことなんて無かった私は、何だか落ち着かなくて……
何、この気持ち。