お願いだから、好きだと言って!!
「絃ちゃんもおはよう」
「うん、おはよー」
私は付属品、みたいな。
ただ、人見知りな私にとっては、瞳のお陰でこうして他のクラスメイトの子とも話すことができていて、助かっている。
「そうだ、蓮くんもこのクラスなの!」
「見た見た!同じ教室であんなイケメン拝めるなんて……!」
友達同士の話に戻った女の子たちは、そんな話でもちきり。
しかも、男の子の方も「蓮が相手じゃ適わない……」と肩を落としていた。
「ねぇ、蓮くんって?」
「えっ!?絃……アンタ蓮くんを知らないの?」
1年間同じ学校で過ごしてきて、と私を見て目をまん丸と見開いた後、呆れている瞳。
私、そんなおかしなこと言いましたっけ?
「ちょっと、絃。ここに座りなさい」
「はい」
クラス替えをしても、名前が前後の私たちは、もちろん席も前後。
自分の席へ誘導されて、座るよう指示された。
いきなり、キリッと姿勢を正して真剣な目で見つめられる。
そんな目で見られちゃ、私も緊張してしまう。