お願いだから、好きだと言って!!
「なんか、自信失くしたよ。ある人には悪口、ある人は無視。1人だけは認めてくれたけど……」
ふーんと聞いていた瞳は、不思議そうに聞いてきた。
「あのさ、絃。昨日今すぐモテたいって言ってたじゃない?」
「うん」
確か、そう言った気がする。
「話聞いてる限り、3人に好きになって欲しいみたいだけど……まさか、絃、三股してるの?」
「さ、三股!?そんな訳ないじゃん!誰があんな奴好きになるか…!それに、好かれても嬉しくないっ!!」
葵くんはともかく。
雅さんも、とりあえず置いといて……
どさくさに紛れて、私のファーストキスを奪っていったり、悪口ばかりのあんな奴に好かれるなんて、反吐が出そうよ。
「……へ?」
今日も早く準備しろと、急かされて出てきた私は、メッセージを通知する音を聞いて、やっとスマホをマナーモードに設定することを忘れていることに気がついた。
「ちょっとごめん」
瞳に断りを入れて、スマホを開いてみると、そこには【佐伯 蓮】との文字が浮かんでいる。