お願いだから、好きだと言って!!



カラッと晴れた約束の土曜日。



まだ4月。



ポカポカ陽気が心地いい。



私は、大きなショッピングモールのある最寄り駅に瞳と待ち合わせをしていた。



「ごめん、お待たせー!」



スキニージーンズにオフショルダーのトップスをさらっと着こなしている瞳は、やっぱり美人。



大人の色気をぷんぷんと漂わせている彼女は、人目を引く。



そんな視線の中に私も入ってしまっているのが、何だか恥ずかしい。



センスも色気も全くない私が、隣にいることが申し訳ない。



「ううん、今日は何するの?」



「もちろん、ショッピングよ」



私も本気を出す、と言われて誘われた今日。



きっと私の思いが通じて、次の作戦を伝授してくれるんだと思うけど……



ショッピングって。



「その、次私はどうすれば……」



「まぁ、性格をすぐに変えるなんてことは難しいから、とりあえずそうね。大人っぽく色気を出していけば、男なんてイチコロよっ」



い、イチコロって……



最近聞かないけど、そんな言葉。



まぁ、一瞬にして惚れちゃうわよってことだけど。



そもそも、私に色気なんて。


< 55 / 260 >

この作品をシェア

pagetop