お願いだから、好きだと言って!!



雅さんはと言うと……



「早く食べてね」と安定のスルー。



肝心な厄介者の蓮くんくんは……



「……ちっ」



し、舌打ち!?



なんで?



スルーでもなく、悪口でもなく、もちろん褒めるわけでもなく。



何故か、舌打ち。



これは、いいのか悪いのか?



それからというもの。



何事も無かったかのように4人で食卓テーブルを囲み、雅さんの美味しい朝食を食べる。



うん、今日もとても美味しい。



そこら辺のレストランに入るより、余程いいと思う。



将来、料理人にでもなったらいいのに。



無言の朝食の時間はあっという間に過ぎ……



雅さんはアルバイトに、葵くんは部活へと行ってしまった。



残されたのは蓮くんと私。



皿洗いと掃除は、残った私たちの担当だ。



「絃、あとよろしく」



「え、ちょっと。少し手伝ってよ」



「お前、居候だろ?言うこと聞けないなら、今すぐ追い出す」



この人……学校でのキャラとは大違い。



いつも笑顔振りまいてるくせに。


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