お願いだから、好きだと言って!!
「……あ、美味しい」
隣で食べている絃ちゃんが、ポロリと漏らした一言。
「ね、美味しいでしょ?蓮兄の唯一の得意料理なんだよ。混ぜて炒めるだけだけど」
「葵、うざい」
クスッと笑いながら言うと、蓮兄から睨まれてしまった。
「ちょっと、蓮くん酷いよ」
「んだよ、俺が嫌味言われてんのに葵の肩持つのかよ」
僕たちの嫌な空気を断ち切るように、間に入ってきた絃ちゃん。
そのせいで何も悪くない絃ちゃんにまでとばっちりがいってしまう。
「……そういう訳じゃないけど、葵くんは蓮くんの弟だし、少し言い過ぎなんじゃないかなって」
蓮兄に強く言われてしまった絃ちゃんは、引きはしないけれど、少し小さく呟いた。
「ふん、別に勝手にしろ」
さっさと焼きそばを頬張って、リビングを後にした蓮兄。
そこに残ったのは、僕と絃ちゃんのただふたり。